こんな経験はないでしょうか?
引っ越しをして、新しい部屋の鍵を複製しようと駅近の合鍵屋さんに持っていったところ
「この鍵から合鍵は作れません。」
と言われてしまった。

なぜ断られてしまったのでしょうか。合鍵の作れる鍵と作れない鍵があるのでしょうか?
ご存知の方も多いかと思いますが、合鍵作成を断られてしまうケースは「合鍵を持ち込んだから」という理由が大半を占めます。鍵の専門店(錠前の付替えや解錠などを取り扱う)などでは合鍵からでも作ってくれる場合はありますが、街の金物屋さんやクイックサービス店(靴の修理などと一緒にやっているお店)では断られる場合が多いかと思います。
では、なぜ断るお店が多いのでしょうか?
答えは簡単です、トラブルにつながるケースが非常に多いからなのです。単に鍵が回らず使えないなどの苦情なら良いのですが、中には鍵穴から抜けなくなってしまったなどのケースもあります。そういったトラブルになりやすいことが想定できるので最初からお断りするのです。

さて、合鍵から合鍵を作成するとなぜ鍵が回らないときがあるのでしょうか。
ここで少しコピーについて考えてみましょう。

かわいいロケットの絵があります。
印刷された3枚のロケットを見比べてなにか違いは感じられるでしょうか?
撮影の影響もあってあまり違いは感じないかもしれませんね。
この3枚はそれぞれ1枚の絵をコピー機で複製したものなのです。

とは言え、遠目に見るとやはり違いは感じられないと思います。
では、それぞれを拡大してみるとどうでしょうか。

グレーが薄くなっている部分がありますか?
丸い窓がギザギザしていますか?
一番目立つのは吹き出た炎のグレー部分でしょうか。

よく見ると、やはり3枚には違いがありますね。コピー機では明るい部分はより明るく、暗い部分は点々と黒く複製されるようです。

そうです、合鍵の複製でも同じことが起こっているのです。
ギザギザの山の部分が低くなったり高くなったり、谷の部分が浅くなったり深くなったり、、、と複製をするとごくごく微小な誤差が生じてしますのです。
皆さんも鍵が精密なものであると言うのは想像できると思いますが、複製を繰り返した合鍵は微小な誤差が重なって、鍵が回らないほどの誤差のある鍵になってしまうのです。

なぜ複製の際に誤差が出てしまうのかはいずれ機会があれば書こうかと思いますが、まずは以上の話から合鍵を作る際はぜひ元鍵(オリジナルキー)をもって行くということを覚えておいてください。

今回のポイント
・複製をすると必ず誤差がでる
・複製を繰り返すと誤差が大きくなって鍵が回らない